新宿区高田馬場の司法書士 森住 都です。

相続放棄とは、相続人が被相続人のプラス財産とマイナス財産を全く引き継がないことをいいます。
家庭裁判所に対して申述する方法で行います。
期間が限られていて、相続が開始したこと、そして自分が相続人となったと知った時から三か月以内に行う必要があります。

被相続人のプラス財産よりマイナス財産が多い時などに相続放棄をされることが考えられます。

そこで、A子さんから質問です。

夫が2か月前に亡くなりました。夫に多額の借金があったので、相続放棄をしました。
生前に夫婦で住んでいたアパートを出て、現在のアパートに引っ越しましたが、以前夫婦で住んでいた時の水道代を支払っておらず、支払いを催促されています。
しかし、水道代の名義が夫になっていたので支払わなくてもいいと思うのですが。このまま支払わないと今のアパートの水道も止められてしまうので、何とかして欲しい。

お答え

これについては、旦那さんの相続放棄をされた場合でも水道代を支払う必要があります。

この水道代は日常の家事に関する債務にあたります(民法761条)。日常の家事に関する債務は、夫婦で連帯して債務を負う、つまり夫婦で支払う必要があります。
たとえ、水道の契約当事者が旦那さんであってたとしても奥さんが支払う必要があります。

A子さんは、旦那さんの相続放棄をされましたが、水道代が奥さん自身の債務として残っていますので、残念ながら支払う必要があります。

水道代に限らず、ガス代やいわゆる日常の家事に関するものも含めます。

もし、A子さんが、旦那さんと生前長期間別居しており、生計も異にし、夫婦の共同生活が破たんしていた場合は、旦那さんの日常家事債務についてA子さんが支払う必要はありません。